自分の居場所はどこだろうか。
未だにそれがぼんやりしている。
映画を観る人間が少ない。
そういう空間の中では、自分はマイノリティである。
周りは奇異の目でこちらを見ているように感じる。
それが個性として評価されるのではなくて、奇妙なモノという見られ方を感じる。
絵を描いたり観たりする人間もいない。
アートに興味を持つ人間すらいないから、そんなことをやっている自分はただの奇妙な存在になる。
一つ目小僧になった気分。一つ目小僧にとっては、一つ目は普通だというのに、全員が二つ目であれば、一つ目は奇異な存在になってしまう。
そんなことで、いつも、ここは俺の居場所ではないと思っている。
だが、翻って絵の世界に入ってみれば、周りも奇異な人間の集まりとなるので、今まで奇異とみられていたところは薄らぐのだが、ここに来たら今度は、どれだけ名のある奴か。になる。
そうなると、自分には名がない。はじっこの方で小さくなっていなくてはならなくなる。
ここも本当の意味での、自分の居場所ではない。
いったいどこが自分の居場所なのだろうか。ずっと探しているのだが。
無意識に「家に帰りたい」と唱えてみたりするのは、本当の居場所を探しているからなのかもしれない。□