展覧会 「若冲展」 (10点/10点)

相国寺承天閣美術館にて開催されている伊藤若冲の展覧会を見学。


最終日になんとか間に合った。


が、着いてびっくり。その行列たるや、120分待ちの大行列である...!
これほどの行列は学生時代に上野で見たバーンズコレクション以来だ。
そのゆえんたるや、もともと相国寺に全て揃っていたにもかかわらずどういういきさつか、宮内庁に奪われてしまった?若冲の最高傑作がここに30年ぶりに古巣に戻るという。そういう強い宣伝も手伝って会場はかように混みまくりなのであった。


散々待って入場してみると展示室はたった2室。
が、その絵の質たるや、まったくもって驚愕の驚愕なのであった。
病気ともいえるほどの観察力と書き込み。
会場を埋め尽くす誰もが歓声を上げていた。もちろん自分もである。



世の中にはがんばっている人はごまんといる。が、正しいところにチカラを注いでいる人と、ずれたところにチカラを注いでいる人がいる。
がんばっているという点ではどちらも同じなのでともに声援を贈りたいところだが、人々を驚かせ、感激させるのは前者のみなのである。


若冲の病的な観察とそれに伴う書き込みは、全て正しいところに向けられていた。
正しいところに病的なまでのエネルギーが注ぎ込まれていた。それが人々を驚愕させ、感動させるのである。


自分のチカラは正しいところに向けられているのだろうか。
客観的に自分のことを判断するのは難しい。
が折角やるのなら本質から目をそらさずに常に正しいところへチカラを注いでいきたいと願う。


そんなことを考えた。□



●前回見学の展覧会→「靉光(あいみつ)展」