ラグビーワールドカップ!

 

スポーツ観戦は嫌いではない。

 

むしろ大好きである。

 

実家に住んでいた学生時代は、熱狂的なスポーツ好きの兄がテレビで見ている試合を横から観たり、実際に試合を観につれて行ってもらっていたものだが、実家を離れてみると、あれやこれや、いろいろなものに優先度を取られたり、目移りしてしまって、スポーツ観戦からは久しく疎遠になってしまっていた。

ドーハの悲劇を、オンタイムで体感した人間である。

このまま何も起きずに試合が終われば、日本代表初のサッカーワールド杯出場が決まる、という緊迫した時間だった。だが、試合終了までわずか数十秒の時間に、日本は得点を許し、ワールド杯の出場を逃してしまった。

あのときの絶望感は今でも忘れることはできない。

あれから時代は流れ、日本代表もワールドカップの出場を決め、今やベスト8を目指すほどの力を手に入れているのだが、あのときあと一歩で山頂というところから突然、崖下に突き落とされた、あのショックは今でも鮮明に残っている。
選手ともファンとも完全一体化するほどに、僕は試合に没頭していたのである。

そんな「潜在的な狂気」が僕にはある。

だが、そんな狂気も心の奥深くにしまい込んでいて、自分でもすっかり忘れ切っていた。争いを好まない、平和な日々を送っていたのである。

 

.........が!

昨日行われたラグビーワールドカップ日本大会。
日本代表VSアイルランド代表の試合である。

日々「観たい、観たい」と口にしてはいるものの、やっぱり時間がとれず、なかなかスポーツ観戦というものができない。スポーツニュースで結果のみを確認する程度の日々を送っていたのだが、この度のワールドカップは貴重な日本での大会である。なるべく生で選手たちの活躍を観たいと思い、些末な用事をすべて退けて、テレビの前に鎮座した。
そして僕は、自分の中にある狂気を思い出したのであった。


アイルランドラグビー世界ランキング2位の強豪である。
どちらかといえば、この度の試合も、大負けだけはしないでほしい、くらいの気持ちで応援していたのである。

が。
なんと試合は19対12という歴史的な勝利という素晴らしい結果となったのであった。
試合が始まり、2つのトライをアイルランドに取られたとき、少し諦めたかのような冷静な気持で試合を見ていたと思う。だが、その後じわりじわりとペナルティキックで得点差を縮め、そしてついに日本がアイルランドからトライを奪ったとき、自分でも信じられないような大声で叫んでしまったのであった。僕は熱狂していた。

無意識とはいえ、これまでずっと抑え続けていたのでしょう。

大きな声で選手を応援することに、なんだかとても久々に清々しい気持ちになることができたのでした。

これはまさに歴史的な勝利だったと思います。そんな試合を生で観てしまったのだからその狂気たるや、どれほどのものだったか、想像ができるかと思います。

日本は買った。だけど予選リーグはまだまだ続きます。

ベスト8目指し、サモアスコットランドとリーグ戦を戦っていきます。

もう目が離せません。
すべての力を注いで戦いに向かっている人の美しさを目の当たりにしてしまった。

最後まで結果はどうであっても、応援して、楽しく試合を観戦したいと思っています。

ほんとうに天晴!な試合でした。□