夢十夜 「第九夜」

こんな夢を見た。

会社からの出向でメメ芸術技術高校に赴任する。

同じ会社のかつての同僚や先輩やらも、

メメ芸術技術高校のあちこちのクラス、

グループに配属されている。

自分が迎え入れられたクラスには、

飯友寝子(いいともねこ)という女の子と、

樋山くんという男の子が居て、自分は彼らの

制作のフォローをする仕事に割り当てられた。

1階廊下の突き当たりの技術室で樋山君の作った

アニメを見せてもらい、驚愕する。

プロ並みの質なのであった。

絵コンテまでもがきっちり丁寧に作られていて、

とにかく綺麗でよく動く。すごい映像であった。

対し、寝子ちゃんは実写映像を制作していたが、

ほとんどできていない。1、2カットの撮影が

終わったという程度なのである。しかも稚拙だ。

その後1階玄関のロビーにて樋山君と会い、語る。

年齢をたずねるとなんとまだ16歳の高校一年生。

将来の強いビジョンを持っていて話もしっかり

している。ものすごい優秀なやつなのであった。

学校はとても広く歩いているだけで楽しい空間

であった。

ふと今までずっと行きたくても行けなかった

美術大学への夢がまさに、夢の中で実現されて

しまっていることに気付き、幸せをかみしめている。

1つ1つの打ち合わせは創造性にあふれ、

優秀で素敵な仲間たちを時には助け、助けられ、

次々と本校の美術作品が社会への価値を生み出していた。

やっとここまで来ることができたことを噛み締めている。

もう職場には戻れないな。と覚悟を決めている。□