リブート

グランカルビーをご存じだろうか。

GRAND Calbee。阪急とカルビーが手を組んで生み出した大人のための新しい高級ポテトチップスである。
ホワイトデーに湧く阪急百貨店を彷徨っていた時に、なんだか長い行列ができているところを見つけた。それがグランカルビーの店舗であった。
行列には、並ぶ派の人と、並ばない派の人がいる。
僕はあまり並ぶことを気にはしない。
並んでいる間にもできることがあるから、ただそれをしているだけで面白いものが手に入るならば、是非並んでみたいと思う。さらに「次にここにくるのはいつだろう」と考えてしまうと、欲しいのならばやはり今、手に入れておかなくてはいけない。
チョコレート、トマトサラダ、バター、マロンなど、様々な味が存在する。行列に並びながら気になるものをカートに入れた。

美味しい大人のポテチであった。

賞賛するのは、その企画力である。
ポテトチップスはスーパーで手軽に手に入るお菓子である。
それを百貨店の高級嗜好とカルビーの技術力を融合させ、「大人向け」「高級素材」でラッピングして新しいブランド商品としてリブートする。
お客さんはそのデザインや気持ちよさ、美味しさ、特別感に惹かれ、列をなすのである。
特別に全く新しいもので無くとも、これまでになかった価値と価値との組み合わせで、まだ見たことのない新しい価値が生み出されうるのである。

ゼロから生み出す必要は無い。
既存のアイデアの組み合わせで新しい価値を、美を、生み出すことは出来るのである。
新しい絵も実はそんな感じで生み出されるのかもしれない。□

 

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