BrutusCasaを眺めていて、ふと思ったのだ。
昨今、世の中の古き良きものが
どんどん変わっていってしまうことを嘆く気持ちが多い中、
現代の建築家が生み出していく新しい建築を見たときは、
嘆くどころか、ほぼ、
すごい。きれい。素敵。という感想しか思い浮かばない。
なにひとつ「昔の良かった建物をこんな風にしてしまって」なんていう
残念な気持ちが全く起こらない。
もちろん、昔の良かった建物や街並みが変わっていくことは寂しいのだが、
それをこれらの新しい建築に置き換えられた時、かつてのよかったものを
継承しながら、しっかり新しい、美しいものが展開されている。
例えるなら、ガタのきた自分の体を交換しようなんてことができたとして、
腕を新しい機械の腕に差し替えたとする。と、
これまで使っていた腕の愛着を維持しながら、使いやすさがさらに増した。
または背中に新しく羽根を植え付けてみたとする。と、
あ、これは全く新しいけれど、かつて想像もしなかった便利なものだった。
・・・なんていう感じだろうか。
これまでの伝統や使いやすさや美しさを壊さないように、良かった部分を
しっかりと継承しながら、それでいて、新しいものへの挑戦も入っていて、
それらを使う人にとって、違和感がないように、新しい発見や楽しみ方が
できるように、そんな風に工夫されているように感じるのだ。
勿論、建築の中にも無粋なものはあるだろうし、他の分野においても、
古いものを大切にしながら新しいイノベーションは生み出されているだろう。
だけど、建築の美しさを専門にした雑誌がある。
そんな分野は建築くらいしかないのではないか。
分野は違えど、単に建築を楽しむだけではなくて、
作り手として建築家たちがどのようなことを考えて
モノづくりに格闘しているのか、そのあたりもしっかり学んで取り入れてみたい。□