白い糸

ただ今、引越し準備で荷物を大梱包中。


...なのだが、やはり大変疲れる。


肉体的というよりも精神的に。


普段捨てようと思っていてもなかなか捨てられないでいた物を、この引越しという機会に便乗して思い切り捨ててやるつもりでいたのだが、いざ紐解いてみるとこれがなかなか難しい。


5年前に描いた絵など最早ごみ同然であると思っていた。捨ててやるつもりでいた。
しかし開いてみればそこにはやはり「自分」がいるのである。幼くとも稚拙でもそれは間違いなく「自分」なのである。その幼さを見て「馬鹿め」とばっさり切捨てられない弱さがある。こればかりは生涯消えない性格であろう。


散らかった部屋の中を呆然と眺めていると、家にあるものは大小に関係なく全て、細く白い糸が自分に紐付いている気がしてくる。これらを断ち切っていくか否かを一つ一つ見ていくのである。
朝から粛々とやっていたが、ちっともはかどらない。
そしてただ棚にあるものだけを梱包するだけでなく、PCのケーブルとか冷蔵庫の中とかベランダとかとか。当初想定していなかった箇所全ての物と対話しなくてはならないことに気づき、めまいがした。


引越しは来週。まだ時間はあのだが、早速「体力の限界」である。by千代の富士。□