川の流れのように

目が覚めると昼であった。外はあいにくの雨である。

本日東京では初めての一般参加型マラソン大会東京マラソンが開催された。この雨の中、3万人のランナーが新宿を出発し、銀座、品川、浅草を経由して有明まで、という長いコースを走りきるわけである。おつかれさまである。もちろん私は参加していない。運動不足でたるみきったこの肉体でいきなり走ったりしたら間違いなく、死ぬ。
とはいえ、浅草もコースになっていたのでちょっと気になりNHKをつけてみると、既に先頭組はゴールしたとのニュースが流れている。9:00AMレース開始で2時間でゴールしたらしい。なんという速さ。この私が怠惰なる安眠をむさぼっている間に彼らは一仕事終えてしまっていたわけである。全くもって恐れ入る。
が、残りの一般参加者たちはまだ走っているだろうと思い、買い物がてら雷門の方へ歩いて行ってみた。予想通り、道路は完全にコースと化し、絶え間なくランナーが走り続けていた。沿道も観光する人々と応援する人々が混在し溢れかえっている。ちらっと様子を見て帰るつもりでいたのだが、やっぱりがんばる人の出すエネルギーは人をはげますものである。絶えることなく走り続けるランナーたちはさながら精神力でできた川のようにも感じられ、心が鎮められた。
なんだかんだでやはり東京マラソンは今年の一つの事件であったと思う。

自宅に戻った後、こちらも仕事を開始した。1月から制作を続けている100号がそろそろ完成に近づいてきている。というか、あと1週間で出品であり、否が応でも完成させなければならない。と言った方が正しい。
経験が浅いせいだろう、慎重に手を入れているつもりが絵を台無しにすることも多々あり、やがて進んでいるのか退いているのかもわからなくなったりもした。この2ヶ月は大いに迷い苦しんだ。が、あと一歩である。最後の力を振り絞り、描く。
この作品が辛くも当選するか、あえなく落選するかは、正直どちらでもよいと思っている。昨年茨木市展に出品したときもそんな感覚だった。とりあえず今できることは全部やりつくしたつもりだし、新たに学んだり気づいたりしたことも多い。なんにせよ一つの結果は出るのである。吉と出ようが凶と出ようが、それが自分にとって一つの貴重なデータとなる。それだけでまた次に進める。それでいいのだと思う。

えらそうなことを書いたが、一通り今日の仕事を終えてみると、完成までにやらねばならないことがまだまだ山積していると感じた。やばい。終わるのだろうか....。否、終わらせなくてはならない。□