三社祭が終わり、一夜が明けた。
21:00PM。昨晩あれだけの喧騒に溢れていた浅草寺は、ほんとどひと気もなく、所狭しと連なっていた屋台はすっかり姿を消し、ひっそりと静まり返っていた。
境内が妙に広い。
あれは白昼夢だったのだろうか、とすら思えてくる。
が、まだ完全に片付けられていない提灯や櫓を、あたかも道端にかろうじて残った都会の雪のように、見つけると、やはりあれは白昼夢ではなかったのだ、と思い至る。
また一年後に戻って来るとはわかっていても、何かひどく切なく寂しい祭りのあと。
.....どうやら俺は浅草に恋をしたらしい。
京都よ、裏切って御免。□