「ビブリア古書堂の事件手帖1」三上延 著 メディアワークス文庫(10点)
素晴らしくおもしろいです。
本のことを知らない、本を読めないという主人公の五浦大輔の視点を、読者の視点と重ねることで、1話ずつ取り上げられる古書のことを全く知らなくても、栞子さんの説明に誘導されながら、知らず知らずのうちに物語に引き込まれるようになっている。
1話1話がしっかりとした謎とすっきりする解法を提示しながら、さらに栞子さんが入院する原因となった事故を引き起こした犯人を追跡する、という大きな骨格が個々のストーリーの下に通されている。
横に広く、縦にも深い。
映画化や漫画化もされ話題になっていたけど、この質にして。と納得の一冊です。□