ユニコーンが好きである。
たまらなく好きである。
最早かけがえのない存在になっている。
ユニコーン100周年ライブツアー「100が如く」にロームシアター京都へ行ってきた。
2019年はユニコーン再始動10周年。
そして、ABEDONが加入し現在のメンバー構成となったアルバム『服部』から30周年。
さらに、ドラム川西幸一が還暦で60周年。
これらの数字を足して「ユニコーン100周年」ということらしい。
そんな100周年でリリースされたニューアルバム「UC100V」を引っ提げて開催されたのが今回のライブツアー「100が如く」である。
ユニコーンの魅力は大きく3つあると思っている。
1つ目は「チカラが抜けているのにかっこいい」という点だ。
あるいは「チカラが抜けているのがかっこいい」のかもしれない。
普通のロックバンドならば、聴衆を盛り上げるにはアップテンポな楽曲。というのが一般的なのだろうが、ユニコーンはその真逆である。
ゆるくてチカラが抜けた楽曲にも聴衆を盛り上げるかっこよさがある。というところを僕らに気付かせてくれたバンドなのである。
デビューアルバムの「BOOM」のころは、まっしぐらのタテノリロックという感じだったが、3枚目のアルバム「服部」あたりから前人未到の「ゆるいロック」の確立に向かって行ったように感じる。
「いかんともしがたい男」「ニッポンへいくの巻」、そして再結成後も「ひまわり」「スカイハイ」「ECHO」など、ゆるくてかっこいい楽曲は健在だ。
民生が吼えるだけで、ゆるいかっこよさがタテノリを軽々と超えてしまうのである。
2つ目の魅力は「全員がボーカル」という点だ。
多くのロックバンドはボーカル、ギタリストが中心となって作曲、作詞をするものだが、ユニコーンは全員が作詞・作曲をしてボーカルもこなす。
アルバム「ヒゲとボイン」や「スプリングマン」のころには、それぞれがシングルを発表したり、全員が交互に歌うスタイルが確立されていた。
解散後、それぞれがソロアーチストとしてのキャリアを経てから再結成したことで、それぞれの個性がバンドの魅力を相関的にさらに大きく引き上げたのであった。
ドラムの川西幸一が歌うときは、ABEDONがドラムをたたく。ボーカルが前に出た時、それ以外のメンバーが演奏に回るというスタイルで柔軟に魅せるのである。これがユニコーンの面白さなのである。
3つ目の魅力は「活動の長さ」である。
ステージはまるで悪ふざけをしているだけのようにも見えるときがある。
だがそれも全てキャリアが生み出した計画的な余裕?であり、その中に芯の通ったベテランの演奏がきらりと光るのである。
再結成してからのこの10年で発表した楽曲ですらたくさんあるから「働く男」とか「自転車泥棒」などのかつての名曲が演奏されたとき、あ、これもユニコーンだったな。とその楽曲のレパートリーの厚さにしびれてしまうのである。
それぞれが生み出した多くの楽曲もそれぞれの個性が光り飽きることが無い。
ユニコーンの楽曲を聞くたびに、ふだん力みすぎて疲れきっている自分のばかばかしさに気付くこともあり、またはげまされたりもした。30年近くもそんなこんなで聞き続けているのだから、最早ユニコーンは、僕の人生にとってなくてはならない存在になっている。
これからもゆるくながくがんばってもらいたい。そして元気をもらいたい。
ロームシアター京都のライブ、たのしかったぜ!最高でした!!
「100が如く」だけに、冒頭で奥田民生が100分ライブを宣言し、100分のチャイムと共にスッパリとライブは切られ終わったのであった。この遊び心もたまらないのである。
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