目の前にある戦いに僕らはいつも青ざめている。
職場での過酷な業務での戦いかもしれないし、
道端で絡まれた不良との戦いかもしれないし、
夫婦との大喧嘩としての戦いかもしれない。
なんらかの戦いがいつも僕らの目の前にあって、
ある戦いには、勝とうとするかもしれないし、
ある戦いには、玉砕覚悟で突っ込んでいくかもしれないし、
ある戦いには、戦いから逃れるために謝り倒すかもしれない。
それぞれ僕らは、死に物狂いで乗り切ろうとしているのだけど、
ちょっと視点を変えたら、ほとんどが喜劇であることに気づく。
10メートルくらい離れたら、相手の声はもう届かない。
100メートルくらい離れたら、相手の顔はもう見えない。
1000メートルくらい離れたら、相手の姿はもう見えない。
10000メートルくらい離れたら、飯粒の一つにも満たない。
足元の蟻は一生懸命働いているけど、僕らから観たら、
目にも入っていないこともある。
神様から観たら、僕らの一人一人の些末な戦いなんて、
きっと目にも入っていない。
視点を引いてみたら、多くのことは取るに足らないことなのかもしれない。□