PS4 バイオハザード7(10点)
どこかの不気味な廃屋に姿を消した妻を探しにいく一般男性が主人公のようで、これまでのキャラクターたちはとんと姿を見せない。
そんなこともあって、本道のバイオハザードではない、といった口コミも多かったようなので、スピンオフ作品なんだな。くらいの気持ちでプレイ開始したのですが。
面白い。
ちゃんとバイオハザードしとるやんけ。
確かに、ゾンビだらけの街や洋館から脱出するという初期のシリーズに比べると、今や、なりそこないの化け物や、頭がおかしくなったおっさんが敵になっており、ゾンビのでないバイオハザードはバイオハザードではない!と憤るファンがいる点は理解する。
だけど、迷路のような館をびくびくしながら進み、突然あらわれる化け物たち、逃げ切ったあとにわずかに訪れる静かな散策の時間。それを引き裂くモンスターたち。このくりかえしはまさしくバイオハザードである。
さらに、次々とあらわれる不条理。
撃っても撃っても甦り、追いかけてくるおっさん。
さっき倒したはずと思って安心していたら、目の前に突然現れて絶叫する。
あげくのはてには、お互いチェーンソーをかついでのデスマッチである。シチュエーションやキャラクターの設定が、狂っていて、もう怖いを越えて大笑いしてしまうのである。
この「笑ってしまうほどに怖い」というのが、僕にとっては一流のホラーであり、それがバイオハザードによって実現されたということに、一種のエクスタシーを感じてしまったのである。
「あががががが」といいながらチェーンソーで切られているおっさんの姿はもはやコミックである。
北野武監督の「アウトレイジ」はなかなかのハードな暴力シーンがあったが、あれもまたハードすぎて笑ってしまうことがあった。
暴力団組長が歯医者で治療中に、敵対する組の連中が乗り込んできて、口のなかを歯を削る機械で「あがががががが」と血みどろにされてしまうシーンがあったが、怖すぎて笑ってしまったのである。そんなことも思い出した。
やっと見つけた。と妻に近寄って行ったら、妻が狂気化してチェーンソーで腕を切りつけてくるとか。
館の主人であるじじいがどこから現れるのかと気を張っていたら、彼女かよ。みたいな。
「jkdipef;dieaks@ofaksa;eaa.......!!」
声にならない奇声をあげる自分がまた、ばかみたいで笑ってしまう。
さりげなく張られていた伏線もラストできれいにつながって、ほう。とうなりました。
一本の名作ホラーを見通したような達成感。これは名作です。□