10Years

 

10年がたちます。

 

あの日の翌日、富山にスケッチに出かける計画があった。
朝、車に集まったメンバーは本当に行っていいのか。と深刻に協議して、結局向かうことにしたのです。
宿のテレビでは次々とおそろしい事態が報道され、楽しみにしていた富山のとれたての海の幸はまったく美味しくも、楽しくもなかった。
自宅に居たらきっとテレビにくぎ付けになっていて、もっと落ち込んでいたかもしれないから、せめて気持ちが少しだけ外に向いたのはよかったのかもしれない。

それから各地でも大小の災害があり、どこに逃げても逃げきれない現実を噛みしめ続ける10年間だった。

明日ここで同じようなことが起こっても少しもおかしくはない。

そのとき自分はどのように行動するだろう。

この10年でそういう気持ちを脳内のどこかに常駐させ、なじませてきたように思う。

覚悟。

いくら考えても自然には太刀打ちできないのなら、起きてしまった後の覚悟を持つこと。養老先生も行っていたけど、やっぱり最後はそれではないか。□