2021年のさくらが散ってしまった。
早すぎる。
早すぎないか。
今年は暖かい日が続き、花冷えをする日も少なかった。
さらに激しく吹き荒れる春の風も手伝って、あっという間に散り去ってしまった。
結局、気づけばハゲチョビンである。
満開の桜を一瞥もすることもなく終わってしまった。
思えば、満開の桜を見なかった春というのは、ここ数十年では皆無だった。
昨年ですら、自宅での自粛を続けながらも、ふらりと散歩に出かけてきっちり見ることはしていたのであるが。
ボーっとしてんじゃねえよっ!
チコちゃんに怒鳴られそうな呆け具合である。
負け惜しみかもしれないが、やはり桜というものは、開いていく過程から散っていくすべての過程をゆっくりと楽しみながら、噛みしめながら眺めるものだと思う。
長い時間、家に閉じこもっていて、さあ満開だといってから突然結果だけをみるものではない。
昨年も今年も、突然満開となった桜や、散りかけた桜が目の前に現れたことに、ずっと違和感を感じていた。
とはいえ、コロナ前に例年、そんなふうに桜をゆっくり眺めてこられたのかと問えば、実はほとんどそんなことはできていない。
毎年個展を春に重ねているせいで、落ち付いたころには花はほとんど散ってしまっているのが実情だ。
「桜のように、桜と共に、オラも咲くずら」
自分を花の側におこうとしたんです。かっこつけてますな。
期初ということで時間がとりやすかったというのもありますけど。
個展まであと14日。無事に咲けるかどうか。ふんばぼ。□