今日の映画

 

人がうまく仕事をこなしている姿を見たとき、

彼はいつも、何をやっても、うまくいっている。ように見える。

トラブル無く、すいすいと課題を解決していく。そんなふうであると思い込む。

 

だけどやっぱり、人間だもの。

結構、彼も失敗をしているのではないか。

たくさんの失敗をした中でうまくいったところだけが、輝いて目に入って、その他の失敗には目を向けず、すべてが輝いて見えているだけなのではないか。

 

 

「何かいい映画教えてよ」

 

長い間にたくさんの映画を観てきた。
どんなジャンルのものが観たいのかを聞けばだいたい、はずさないおすすめを教えてあげることができる(と思う)。 
だけど、そんな映画ソムリエ(いつからだ)の僕も、そういつも名作ばかりを見当てているわけではない。多くの名画の発見の影に、とんでもない駄作を幾多も観てきているのである。

 

先日観た「ミッドサマー」。

これは、ンマー、、、、酷かった。

ビデオ屋さん大賞1位という肩書と、最近観れていなかったホラーということで、期待に胸を膨らませて手に取ってみたのだが、とにかく酷かった。

 

冒頭「妹からメールの返事が来ない」と彼氏や仲間に電話をかけまくり、泣きべそをかく女。その女の泣き崩れた顔面アップのカットが10分ほど続く。
この段階で、とても嫌な予感を感じた。「これ、失敗じゃないか?」

やがて女の予想通り、妹は父、母と共に自殺をした姿で発見され、狂乱する女。
そしてその裏では、そのヒステリーにうんざりしていて別れようとしている彼氏の姿。
いったいどんな映画なんだ。さっさとホラーパートに入りやがれ。

彼氏は、大学の仲間たちと、仲間の一人の故郷であるスウェーデンの小さな村の祭にでかけることになり、すがりつく女も別れることもできず同行することに。
痴話喧嘩や嫉妬。別れる直前のカップルの末期状態のような映像がネチネチとまとわりつきながら旅に出る一行。奇をてらったカメラアングル。

たどりついた村では、狂気の祭が開催されており、彼らは次々と不条理な祭のいけにえにささげられていく。

どのシーンもひたすら意味不明で、かったるく、しかもそれが長い。最後までそれが延々と続く。

後半は念仏を唱えながら、ほとんど早送りで「こなした」。

そこここに散らばる意味のない長いカットは、結果2時間30分もの間、視聴者を拘束するが、最後に残るのは「不愉快」の3文字のみ。

「食人族」以来のワースト映像であった。

 

酷い映画に出くわすと、人生を棒に振ったような、虚脱感が覆いかぶさってきて、鬱病のような状態になる。

酷いとわかっていてあえて手を出すのではなく、期待させておきながらの奈落だ。
天国から地獄への位置エネルギーは計り知れない絶望を生むのである。

 

1年に数回、こんな目にあっているような気がする。もうこりごりだ。

だが、それでこその映画ソムリエ(自称)なのである。□

 

PS:スミマセン、掟破りの悪口を書いてしまいました.....。でも耐えられなかったんだもん。

 

 

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