「兇人邸の殺人」 今村昌弘著 東京創元社
主人公のホームズこと剣崎ヒルコが、怪異事件を呼び寄せるという体質という、
トンデモミステリーシリーズ第三弾。
一作目はゾンビに取り囲まれた館でミステリー。
二作目は予言者とその周りで起きるミステリー。
三作目は、凶暴な片腕の巨人が徘徊する館でミステリー。
(以下自分へのメモ。ネタバレ注意。)
・廃屋になりかけたことを強みとして営業している遊園地の中にある兇人邸に、斑目機関が研究した機密があるということで、回収に駆り出された剣崎ひるこ(ホームズ)と葉村譲(ワトソン)。
・機密は凶暴な片腕の怪物。目に入る人間を殺害し、首を首塚に運ぶという習性をもつ。不木博士が生み出した化け物(正体は機関で実験体とされていたケイが薬を打たれて返信してしまった姿)が館の中の地下に閉じ込められている。
・怪物の餌食になるものが続出する中で、不木が死に、使用人の雑賀が死ぬが、化け物の殺害のどさくさに紛れて、人間が殺していた。
・不木は、兇人邸に働きに来ていたが怪物の餌食にされた剛力智の妹・京(ミヤコ)(実は、実家から逃げるために智の提案でなりすました妹)が殺した。
・雑賀は、裏井(実は、ケイとともに実験体として育てられていたコウタ)が殺した。
・ひるこは、怪物のいるエリアに閉じ込められ、窓から言葉を交わすことで推理を進める。鍵は怪物に塔の上で殺された犠牲者が持っており、とりに行くことができない。
・ラストは、裏井が塔の上に行き、自らを怪物に殺させて、首をはこばせることで、ひるこに鍵を届けた。
・裏井が、雑賀を殺した動機は、かつてケイと約束した「なにがあっても一緒」を守るために、変わり果てたケイが行った殺人と同様、自分も人を殺して一緒になろうとしていた(この同期はよく理解ができない)。
・文章がとても読みづらい。トリックが理詰めで読み込まなくては理解が追い付かないというのと、館の文字による表現がども頭の中で映像化しにくく、何度も読み直さなくてはならなかった。トリックについてもしっくりこなかった。□