図書館からメールが届く。
「予約した本が入荷しました。
1週間以内に取りに来てください」
駅前には無人の図書コーナーがあって、
入荷先として指定しておけば、
図書館に行けない人でも、駅前で本を
借りることができるのだが、
本を借りようとしたらブザー音が鳴り響いた。
「延滞中の本があります。お貸しできません!」
前に借りていた本が期限切れで延滞しているときは、
システムは容赦なく貸し出しを禁止してくる。
返却ポストもあるのだけど、本を返してもすぐには
返却とはならない。
翌日にでも業者がやってきて、ポストの本を回収し、
図書館まで運んでスタッフが返却状態にしない限り、
次の本を借りることができない。
・・・・・・・・・・・・・・・・・と思っていた。
だけど、
ちゃんと返しているのに、返却扱いとならないのは
いけずではないか。何とかしてくれないか。
なんてことを市にメールしようと思ったら、
市のホームページのQ&Aにこんな記載が。
「ポストに返却しますと、センサーにより自動で返却済になります。」
素直に驚いてしまった。
過去に同じような要望を感じて、市に申し出た人がいたのだろうか。
その程度の課題に、市はとっくに対応済だったわけである。
何と便利な時代なのだろうか、と改めて思うと同時に、
もしかしたら、僕らの思いつくような課題なんてものは、
最早ほとんどのことが解消されてしまっている時代なのかもしれない。
・・・と思い、愕然となる。
これから10年、20年で日本は世界は、何に取り組んで、どうなっていくんだろう。
なんてことを思い、なんだか不安になってしまった。
便利すぎても、逆に不安になってしまう時代なのである。□