好きな本に、「嫌われる勇気」の話題が出た。
自分にとっても愛読書で、どんな本であるかは
理解しているから、要旨をたどるような感じで
話を聞いていたのだけど、
「自分がコントロールできないことに執着するな」
というところに触れたとき、
ピッチャーは、指先から離れたボールはもうコントロールができない。
だから指先から離れてしまったボールに執着はせず、
指先から離れるまでにどれだけのことができるかに注力するようにしていた。
とお話しされていた。
これを聴いたとき、コントロールできないことには執着しないこと。
という本の内容がさらに一歩深く、沁み込んでくるような楽しさがあった。
なるほど、プロ野球選手はそういうふうに読み込んでいるのか、と。
同じ本でありながら、読む人にとっては受け取り方が違うし、
また一歩自分に当てはめるように読んでいる点に面白いと感じたのである。
改めて、自分にアドラーを当てはめてみると、
描き切った絵が、トラックに載せられ審査会場へと旅立って行った後は、
もう絵はコントロールしようがない。だからこそ、アトリエの中で
描き切るところをしっかりコントロールするのだ。となるのだけど、
切り口が変わることで同じ内容でも全然かわってくるのです。面白い。□