今日の一冊

 

「たかが殺人じゃないか」 辻真先 著 東京創元社

 



昭和24年の描写がなかなか頭の中で映像にならず、

とても読むのがきつかった。

トリックや構成は素晴らしいので、

小説よりも、映画やドラマにした方がよいかと思う。□

 

 

 

(以下、自分へのネタバレメモ。全部書いているので注意)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・第一の被害者は徳永信太郎。

 主人公・勝利らの修学旅行先のモデルルーム?で密室で死んでいた。

 トリックは屋根に空けた穴から滑り台を仕込ませて滑り入れた。

・第二の被害者は郡司英輔。

 主人公・勝利が学園祭のための撮影をしていた建物でバラバラになっていた。

 刀は連絡用のパイプに潜ませていた。

 最初は首がついていた状態であったが、首が転がっているように床下から頭だけを出し、目撃者がいなくなってから切るなどして配置した。

・犯人は別宮操先生。

 戦争が終わり、アメリカ兵を助けようとしていた妹の節を殺し井戸に入れた二人への制裁だった。

 

・推理研究部でミステリ小説を書く勝利が、書いた作品としても読めるようになっており、ラストが最初の一行目「お前が犯人だ」につながる。1行目から犯人を出すという仕掛けが素晴らしかった。

・ただ、戦後昭和24年の愛知県は、ほとんど文章を読んでも映像が見えてきづらく、読むのに苦労をした。小説で読むより、映像で見る方がよい。

・屋根の上に滑り台を取り付けて、大型そろばんで死体を流しこむ。というトリックも、どうも絵が頭に思い浮かべられない。そういうところが、本書はとても多くて、よみづらかった。

・トリックよりも、ヒロインであるクーニャンの正体が娼婦であるというところに驚き、ショックを受けた。□