★ワーカーホリックの正体

 

もしも強盗が家に入ってきたとき、

暴漢術を身につけた人ならば、

襲い掛かってくる敵を軽くかわし、

一撃で締め上げるだろう。

だけど、そんな術が無い多くの人は、

逃げ惑いながら、手近にある本やら

モノを手あたり次第に片っ端から

投げまくったりしている。

しかも、それらは敵に全く当たって

いなかったりする。

 

いわゆる自分も含めた、自称「ワーカーホリック」の正体は、

この「暴漢術を手にしない一般人」のようなものではないか。

 

あまりにも早すぎる現代でなにかを生み出さなくてはいけない

という強迫観念がありながらも、ど真ん中を刺すような出力が

できない、成果が出ないものが、次々といろいろなものに手を

出して、何かをやっているようなフリをしている。

一見、単位時間あたりに取り組んでいる仕事は多く見えるかも

しれないが、結局何が出てきた?とよくよく目を向けてみると、

それは張り子のトラのようなもので、中がスカスカだったりする。

 

ことばも仕事も何もかも、急所を突くものが1つあればいい。

でも、その1つが出せず、片っ端から手近にあるものにしがみつく。

そんなのが、自分の毎日だと思う。

 

この時代、成果なんて簡単に出ない。

簡単にインプットされるもの、アウトプットされるものは

アウトプットのふりをした単なる「消費」であり、

決して決して「成果」(=コンテンツ)ではない。

 

最後は、やっぱり「誇り」です。

自分のアウトプットを自分が心から許せるかどうか。誇れるかどうか。

 

たとえ時間がかかっても、良いものを、誇り高いものを1つ。

おちついて、もっと深く考え、作っていこう。

周りの早さに慌ててはいけない。流されてはいけない。

結局、そこに戻っていくのではないか。人間だもの。□