そんなこと誰もがわかっていた。
でも誰もが知っている、気づいているけど、
当たり前すぎて誰も手を出していないことってある。
それをあえてやってみる。というのはどうだろうか。
ヒグチユウコさんのイラストレーションが出始めたとき、
そんな言葉を目にした記憶がある。
ペンで写実的に動物を描く。という試みは、
確かにヒグチユウコさんの前にも見たような気がしないでもない。
でもそれを、10年、20年と継続することができるかというとそれができる人はいない。
それが才能なのではないか。
PodCast「漫画のラジオ」で福満しげゆき先生のインタビューがあって、
先生について「20年ずっと同じところを掘っている人」という説明があった。
すごくシンプルで誰でもやれそうなことなのかもしれないけれど、
それができる人は少ない。
掘って掘ってずっと掘っているうちに、
温泉でもない、
石油でもない、
誰も観たことが無いモノがあふれ出してきてしまっているが、
その価値自体を本人が自覚していないという現象が起こっている。
誰もが思いつく、シンプルなことの中に、
誰もが到達できない、奥深いコンテンツが眠っているのです。
答えは最初に誰もが気づいている。
だけど、そこに到達できるのは、
やっぱりある種の狂気と才能を持った人なのだろうと思う。□