村上春樹氏の6年ぶりの新作「街とその不確かな壁」がリリースされた。
書店に走る。
久しぶりの超話題作の登場である。
書店も特設コーナーを設け、平積みにして大々的に陳列をしていた。
ずっしりと厚く重いハードカバーの新刊を手に取ってレジに向かう。
まず、表紙のグラフィックデザインが刺さる。
黒ベースに白い独自のフォントがカッコイイ。
そしてずっしりと手に収まるパッケージ感にも震える。
タイトルもいい。
謎と不安を感じさせるひきつけられる魅力的なタイトルだ。
やはり本はこうでなくてはいけない。
電子化が進み、街の書店が姿を消していく時代だと言われる。
だが、書店こそが自分にとってのガソリンスタンドであり、散歩道でもある。
もし、未来に書店が姿を消してしまったら、自分は行き場を失って彷徨い続けるゾンビの様になってしまうだろう。
電子化への理解もある。
読み終えた本が収納場所を失い、処分されるような未来が来るのならば、今から電子書籍を選択しておけば、ずっとデータとして残し続けることはできる。
だけど、やっぱり自分は、原則初見は、本で、紙のにおいや、本の厚みや重さなどの手ごたえを感じながら、読みたいのである。
街とその不確かな壁は、GWにじっくり読みたい。□