ファミコンゲーム 2次ベスト その1

 

NintendoSwitchやファミコンミニで、もう概ねのファミコンのベストゲームは遊べるようになっているが、それらに漏れている2次のベスト。というのをまとめておきたい。(といいながら、この中にもSwitchで遊べるものもあるようだけど)

 

奇作もあるが、ファミコンミニ2がでるのなら、是非入れてほしい。

 

□ たけしの挑戦状
いきなり書いて、いきなりだが、
自分でやりたいとはあまり思わない。誰かが挑戦しているのを横から眺めたい。
アントニオ猪木のビンタは、ある時までは「凶器」のように思われていたが、あるときから「崇拝」になってしまった。たけしの挑戦状にも、似たようなものがあるように思う。
たけしの挑戦状は、ある時では「史上最悪のクソゲー」の代名詞だったが。今となってはファミコン史上に輝く「伝説」になってしまった。ファミコンの爆発的ヒットに作る側も、俺たちも作ろうと乗り出しながらも、その波に追いつけず、勢いだけで押し出されるようなものづくりがあったという歴史が、このパッケージに焼きこまれている。そういう意味では、改めてプレイしたいというよりも、美術品として、東京国立博物館に収蔵したい。というようなシロモノである。

 

□ ポートピア連続殺人事件
やったことがない人間同士ですら、犯人が合言葉のようになっちゃってる。
そんなゲーム、ゲーム史上で前にも後にもこれだけですよ。
テキストアドベンチャーゲームというジャンルの超初期の作品だから、画面数も少ないし、次のシーンへ行くためのフラグ設定が不条理だったりするけど、シナリオとしては今改めて見ても、やっぱり堀井雄二はいきなり出してますよ。

□ オホーツクに消ゆ
ファミコン版もいいけど、実は思いが強いのはパソコン版。ログインソフトという名前で出ていた。最もパソコンというものにあこがれた幼いころに出た作品で、PC88版を見て、なんてきれいな画像なのだと震えましたね。実際にプレイできたのはMSX版だったけど、それでもパソコンでゲームをしている!というちょっと大人の世界に入れたような気持になれただけで十分幸せだった(シナリオは一緒だし)。
まだ旅行なんてしたことがないくらい幼い時代の作品だったから、このゲームの中に描かれているような場所が「北海道」という場所なんだ。と、圧倒的な憧れが頭に焼き付いちゃった。
これは、ゴッホが浮世絵を見て日本を美しい場所と思ったことと、全く同じ状態だと思う。浮世絵の中に描かれた日本の美しさが、実際の日本を上回っちゃった。たぶん彼が生前、日本に来れていたとしても、失望していたのではないか。それくらい圧倒的な魅力が彼にとっての浮世絵にあったのです。
僕にとっても、オホーツクに消ゆ!のゲームで描かれた北海道こそが、ホンモノを上回る、シン・北海道なのである。

 

□ スターラスター
ファミコン史上トップクラスの「大人のゲーム」だったのではないか。
当時は、宇宙シミュレーターのようなものかと思っていたが、ちゃんとストーリーがあり、エンディングも用意されている超硬派なSF大作だった。デススターとの遭遇までの困難さに加え、デススターとの死闘も大変なもので、クリアできたという友人が、目の前でラストを見せてくれた思い出がある。それでも何度も失敗しかなりの時間を要したと思う。当時はセーブ機能なんてものもなかったから。

 

□ スパルタンX
各階のボスを倒しながら5階建ての塔を登っていくという設定は、完全にブルースリーの「死亡遊戯」であり、ジャッキー・チェンの「スパルタンX」から取り出した要素は全くない(ラスボスがXというだけで)。が、ゲームデザインが素晴らしく、当時擦り切れるほど遊んだ(カートリッジが擦り切れるわけはないが)。おそらくすべてのファミコンゲームの中でも、自分が最も長く遊んだ一本だったと思う。
コロコロに連載していた「ファミコンロッキー」という漫画で、26周するとガールフレンドのシルビア真のラスボスとなって襲い掛かってくる!というとんでもない嘘テクが描かれ、信じ込んだ自分は26周を目指し猛特訓をしたが、たどり着けなかった。まあ、たどり着く前に嘘テクであることがばれちゃったから、無駄に頑張らなくてよかったと思っている(ゼビウスバキュラを256発で破壊するという嘘テクにもひっかかったが)。アーケード版のオリジナルを、アーケードアーカイブスで出してほしいと心より願っているが、依然移植されないのは「スパルタンX」という映画の著作権にひっかかっているからだろうか。

(つづく)