注目の女子フィギュアスケート。
浅田真央選手は、キムヨナ選手に敗れた。
バンクーバー冬季五輪の日本の金メダルは、このままゼロで終わりそうだ。
前回のトリノ冬季五輪では、かろうじて荒川静香選手が金メダルをとり、更にイナバウアーという流行語まで生み出してくれたことで、国民はなんとか救われた気持ちになり、やきもきする気持ちを治めることができた。
だが、今回はゼロである....。寂しい。。
冷静に考えれば10位以内に入ることですら、とんでもない快挙なのである。
入賞どころか、たかが国内のちっぽけな絵画コンクールで入選すらしない。
描くということをフィールドにしている自分は、その程度のちっぽけな戦いを繰り返していて、とても世界に向けて戦っている彼らにまったくもって及びもしない。彼らにつべこべ言う筋合いはないのである。
だが。それでも自分はどうしても!どうしても!自分を棚に上げたことも忘れ、彼らを「金か」「それ以外」という見方で見てしまう。
確かに日本は、今回の大会でスピードスケートでは銀と銅を同時にとり、女子カーリングのチーム青森は8位というなかなかの戦いを見せ。更に男子フィギュアスケートでは日本初めての銅メダルも出た。
.....だが、金がない。そこに自分はものすごい虚無を感じてしまう。韓国は6個くらいとっているのだ。
自分は、世界一というステータスにたどり着いた最高の栄誉のある人間の顔を見たかった。声を聞きたかった。そして力をもらいたかったのである。
その期待が大きかっただけに、この五輪から得られたものが何もないように感じてしまっていた。
だが。そんな中、今朝のスポーツ新聞の一面で見せた、浅田真央選手の表彰時のアップ写真。
目に涙をためる姿に、ゆれた。
これまであまり派手なミスもせず、天性の力ですいすいと世界一の戦いのフィールドまでたどり着いているように見えた彼女にも、最後の最後、わずかなミスで1位にはいたれなかった悔しさ。
その挫折感を味わったその目に「人間」を感じた。
敗れたものには敗れたものだけが見せる高貴な美しさがあったように思う。
金メダルがなくおわることはさみしい。
だが、そういう「人間」の一面を選手の中から見れたことだけでもよかったのではないか。
俺も負けては居られない。
とても彼らには及ばないが、自分のフィールドで少しでも上を目指したい。□