映画「雨に唄えば」を観る。
映画「レオン」でジャン・レノ演じる孤独な殺し屋が、ニューヨークの小さな劇場で、背後を気にしながら「雨に唄えば」を観るシーンがある。
非情な殺し屋ですら、ジーン・ケリーがどしゃ降りの雨の中でも楽しく歌い、踊る名シーンに目を奪われるのである。
.....そういうイメージだけが「雨に唄えば」にあったのだが、実はこれまでこの名画を観たことがなかったのである。
だけど思いました。
この名画を観るのはまさに今!です。
サイレント映画がトーキー映画に移り変わっていく過渡期、大スター俳優ドン・ロックウッド(ジーン・ケリー)と女優リナは、ハリウッド公認のカップルと噂されていたが、その裏で実は、つけあがった態度のリナに、ドンは愛想をつかせていた。
さらに、これまでは台詞のないサイレント映画の時代だったため、リナの外見に合わない、かん高い声や音痴が世の中から絶妙に隠されていたが、トーキーになりその事実が世間にさらされてしまう危機?が迫っていた。
そんなとき、ドンは女優志望で裏表のない美しい娘キャシーと出会い、恋に落ちる。
映画会社社長とドンは、リナの口パク映像に、キャシーの美しい声をあてることでトーキー映画に臨もうと画策するのだが........。
ハリウッドの黄金期をユーモラスで愛らしいキャラクターたちと、見事な歌唱とダンスで極上に彩る大傑作である。
雨の中でも喜びやしあわせで満たされているドンの姿が、今のコロナ騒動で悲壮になりかけているぼくらの状況を、励ましてくれているようでもあり、とても元気が出てくるし、胸に染みるのである。
全編にわたり本当に楽しい映画で、すべての悩みや悲しみを吹き飛ばしてくれる傑作です。
今です。
今だからこそ、みんなに観てほしいなあと思う名作です。□