向こうから来る。

パウル・クレー展(@大丸ミュージアム大阪)を見学してきた。


やっぱり、クレーはただもんじゃない。


彼は目に見えるものを描かずに、われわれの持つ様々な感覚を表現してしまう。
例えば、山のてっぺんで見た景色の清々しさのようなものを、山を描かずに感じさせるような。


さらに彼は、一切追い求めていない。


「彼ら」が勝手にやってくる感じなのだ。



あの空気、あの匂い、あの光。


どうしたらキャンバスの上に落とせるのか。


みんな必死で考える。でも考えれば考えるほど遠ざかっていく。


でも、クレーはそんなことをまったく考えてない(ように思う)。


描いていたら向こうから勝手に来た。そんな感じ。


鳥を捕まえるのに、罠をはってみたり、虫取り網でおいかけることはしない。眠っていたら鳥が勝手に寄ってきて肩にとまった。そんな感じで捕まえてしまう。


かなわねえなあと思う。□