ゲド戦記について(ネタバレなし)

昨日、レイトショーで「ゲド戦記」を見てきた。


確かに完成度は高かったものの、正直見た直後はどうしても宮崎駿作品と比較してしまい、その差に愕然とした。


「俺達はこれまで一体、なんてすごいものを当たり前のように目にしてきてしまったのだろう」と。


宮崎駿作品の世界観、キャラクター、躍動感、スピード、アニメならではの演出などなど。思えばどれを取ってみても超一級で、そんなものを我々は小学生のころから目に入れてしまっている。目が肥えてしまっている。
そのことをゲド戦記を見て、はっと気がついてしまった。
あんな超人にたとえ息子だろうと喧嘩を売るなんて。勝てるわけがない。
そう考え始めるともう足りないところばかりが次々に目に留まってくる。
ジブリ作品のようなにおいのする似て非なる作品。と思えてならなかった。


駄菓子菓子。


見終わって1日たち、改めて思い出しても、後味がよいのである。
そして今もパンフレットを見返したりして反芻している自分がいる。


生と死という強いテーマがある。


毒はあるが世界観がしっかりしている。


スピードは若干鈍いがどっしりとしている。


美しい敵がいる(クモは本当に最高の悪党だ!)。



宮崎吾郎宮崎駿ではない。流されない。自分は自分のすべきことをする。そのように父と自分の違いを明確にして正々堂々と戦いに挑んできている。そこがすごいのである。
そもそも、初めての仕事であれだけのクオリティのものを作ることができたということが、奇跡である。
新入社員でいきなり大プロジェクトを任され、成功を収める例なんてほとんどありえないわけだし。初めての仕事なんて、むしろ本業前の雑用でつまずいたりするわけだから。


今回の戦いは大勝利。ではないか。
第一回監督作品。と言ってしまった以上、これから第二回、三回...とやることになるのだろう。


是非サムライ魂を胸に、これからも戦い続けて欲しい。チカラを見せつけて欲しい。□