今の気持ち2

上野の森美術館大賞展を見に行く。


見学は二度目である。
会期中の前半と後半で展示作品をわけていたため、後半最終日の今日、改めて見学に行ってきた。


1階に展示された入賞作品は改めて見てもやっぱり優れていた。確たるテーブルマナーを持った上での制作であることがはっきりとわかる。
入れ替えされた他の作品は、やっぱり前半同様、良いものもあればなんだかよくわからないものもあった。
が、これら一枚一枚が気の遠くなるような長い時間、積み重ねの中から生み出されていることは確かである。一枚一枚に作者の深い哲学や思想が組み込まれている。
これら一枚一枚が大河の一滴となって出来たこの空間の強さと静けさが自分を痺れさせた。この空間を自らの戦いのフィールドにできることに誇りを感じた。


美術館の隣のギャラリーでは以前の同展最優秀者の個展が行われていた。
略歴を見ると20代前半に幾多の賞を舐め、20代後半の今早くも前衛にたっている。
自分の失われた20代と対比させ軽い眩暈を覚えながら帰宅する。


自分がこの土俵に上がらせてもらえる機会があるのだろうか。
もしかしたら生涯上がることはできないかもしれない。
でも、なんであれやっぱりこれからも粛々と続けていく所存だ。□