忌野清志郎(敬称略)が亡くなった。
びっくりした。そして大きなショックを受けた。
自分は忌野清志郎の楽曲に直接影響を受けた世代ではないが、直接影響を受けた以降の世代が作り出した二次的、三次的な楽曲に影響を受けた世代であり、その偉大さは充分認識しているつもりだ。
その自分ですらこれだけ衝撃を受けたのだから、直接的に影響を受けていた方々の驚き、ショックは相当なものだったろうと思う。
自分にとって最もつらかったことは、
「清志郎ですら死から逃れられなかった」という事実だった。
がんから一度は復帰したものの、また治療に戻らなくてはならないと聞いたとき「大丈夫だろうか」と心配しつつも、清志郎のことだから、きっとクローンになってでも、サイボーグになってでも戻ってきてくれるだろう。と、どこかで期待していた。
だが、残念ながら清志郎ですら、人間だった。
人間は誰であってもいづれ死を迎え入れなくてはならない。
愛すべき友人・知人、そして家族。そして自分も。
自分は、その当たり前の事実を観念的には理解しているつもりでも、やはり無意識にその事実から目を背け、忘れようとしていた。
だが、またもこのような形で自分を取り巻く愛すべき人たち、そして自分の死にもいつか目を向けなくてはならないことを思い出させられた。
いつ来るかもしれないそのときに、我々ができることは「覚悟」しかない。
「がんを受け入れることもロックンロール」とうたった清志郎は本当に日本の強靭なロックンロールの土台を作った偉大な存在だったと思う。
心よりご冥福をお祈りします。□
