「わたし出版社を立ち上げたいんです!」
「失敗するかもしれないぞ。大丈夫か」
戦争に敗れた直後の日本。
貧しい人々がその日暮らしにもがく東京。
本当に大変な時代だったのだろうと思う。
.........けれど。
「もう世の中全てが失敗しているようなものじゃないですか」
強い決意を語るとと姉ちゃんの姿をみて、ちょっぴり羨ましい、
と思ってしまった....。
非合法な手を使ってでも生き延びようとするような貧困の時代、
人々はある意味「やらねばならないこと」に取り囲まれている。
豊かにはなったが「やらねばならないこと」を捏造している
現代とは大きく違う。
単に隣の芝ばかりを青く見ているだけなのだろうけれど。。
但、それでも最後に僕を支えるのはやっぱり美術です。
美術という名のものづくりは、いつの時代でも混沌です。
多くの人にとっては「やらなくてもいいこと」なのだろうけど。
どういうわけか「やらなくてはならないこと」になってしまった
僕らにとっては、最早芸術という名のフィールドは戦争直後の
日本の状態と大差ないのだと思います。(大袈裟かも知れないけれど...)
僕も時代に、とと姉ちゃんに、負けない仕事をしたい。
否、します。きっと、します。□