「調理上という戦場」斉須政雄著。
名門フランス料理店コート・ドール。
その料理長・斉須政雄氏の戦いの日日が
記録されている。
料理を通じながらも料理に限定されない
「仕事」のエッセンスがつまっている。
「仕事」への取り組み方を学ぶことのできる
名著である。
本書を読んでから、いつしかこのお店に行って
みたいと思っていた。
こんな強い哲学を実践している料理長が実際に
どんな料理をするのかを味わっておきたかった。
そしてこの日、ついにその願いが叶ったのだった。
おいしい。どの料理の完成度の高さもさることながら、
店内の空間、店員の一人一人にまで沁み込んだ緊張感、
きびんで豊かな接客。なにもかもがとがっている。
それでいて店全体が現状に満足しない動きを伴っている。
世界ってものは、ほんとうに広くて深くて堅牢だ。
自分の仕事のいかに浅はかであることか、を思い知る。
このような世界の最前線のとがった仕事を常に頭の片隅で
意識していたい。
この緊張感を共有させてもらって自らを戒め、仕事を一層
尖らせていきたい。
そしていつかは自分の仕事がまわりを尖らせる
ようにしていきたい。
そんなことを教えてもらった。
次回はもっと大きな成果を出したその日に訪れたい。
必ず。それを目標に明日からまた仕事をがんばるのだ。□