ルート・ブリュック

 

ご本尊を参拝した。

 

そんな気持ちだった。
ルート・ブリュック作「ロバのふりをしたライオン」。

展覧会のチラシで見て、なんだこれは!?と思いました。

 

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素朴でありながら大胆で存在感がある。
誰の目にもしっかりとまる不思議な強さがある。

どうしても本物をこの目で見ておきたいと思いました。
そしてやっぱり自分の目で見て正解だったなと思いました。

美術作品を教科書やらガイドブックやらで一瞥して、もう見たからいいや。なんていうのは、とっても勿体なくて残念なことです。
印刷されたもので、みんなが満足しちゃったら展覧会なんて世界から不要になるでしょう。でも、美術館がなくなることはなくて、お客さんは美術館に足を運びます。
僕たちは、印刷物では受け取れ切れないもの、印刷物との差分を「体感」しに美術館に行くのですね。
実際の作品の大きさ、厚み、材質的な表情、色合い、そして美術館という空間、一緒に鑑賞する人たちの息遣い等。そういったことは印刷物には含むことができないのです。

だから僕らは「本物に会いに」「体験しに」「臨場感を感じに」美術館に行くのです。

話はそれましたが。
ルート・ブリュックはフィンランドの代表的アーチストとのことです。
初期のスケッチから中期の代表作「ライオン」を経て、最後にはブロックの模様だけで光を表す作品に挑んでいきます。その過程が、人生が体感できる貴重な機会でした。

いつも写真などで慣れ親しんでいたものを、初めて目の当たりにする感覚。
「ようやく会えたね」
20年ほど20年ほど前にニューヨークで自由の女神を目の前にしたときの、そんな感覚をなんとなく思い出しました。□

 

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