制作日記

 

昨日の今日で大変残念なのですが、

 

このたびの個展を急遽延期とすることに決定しました。

 

作品はほぼ完成しておりました。

あとは搬入・展示をして会期を迎えるだけの状態になっていました。

が、このたびの緊急事態宣言発出の後も、新型コロナ蔓延の事態は収束する気配を全く見せず、むしろ京都も緊急事態宣言発出を国に要請するなど、さらに事態は悪化しています。

 

・来場いただくお客様の多くが大阪、京都、首都圏におられ、
 このたびの緊急事態宣言を受け、ご来場が期待できないこと

 

・お客様が来場される経路、会場などで感染してしまう可能性への
 責任について、個人として負いかねること

 

・社会的立場も鑑み、個人的判断で感染拡大となりうる行動を慎みたいと
 考えていること

 

以上のようなことを熟考し最終的に、延期を決定しました。

 

連日多くの方が、同じように発表の機会を閉じていく中、直前まで開催するという姿勢でまっすぐに臨んできましたが、このような結果となったこと、とても残念に思います。

 

今初めて、オリンピックの延期を受けた選手の気持ちや、ライブ活動を断念せざるを得なくなったアーチストたちの気持ちと、シンクロできたような気持ちでいます。

ひとことに「延期」と聞いたとき、「ふーん」とか「大変だ」とか「残念だ」という程度でしか受け止めていなかったけど、当事者の痛みってのはこれほどのものか、ということを思い知りました。

 いよいよ明日!というところまで、まっしぐらに梯子を駆け上っているピークに、突然梯子を抜かれたような気持ちです。奈落。断腸の思いとはこのような気持ちをいうのではないか。

また、ご案内をさせていただいた多くの方々に対しても、緊急で延期の連絡を入れようとしているのだけど、直前ということもあって、連絡ができない方もおります。
この場を借りて、ご迷惑をおかけしてしまうことをお詫び申し上げます。

 

ちょっと呆けたような気持になりますが、この度の個展としての仕事はきっちりとすべてをやり切っておきたいと思います。
事態はいずれ必ず収束するし、それまでは耐え忍び、そこからまた再出発をしようと考えています。

今はまた次の機会に向け、さらなる高みを目指して、弾を込めておこうと思います。□