飛鳥の蘇

 

「からすみ?」

 

最初にみたときは「珍味」かと思いました。

 

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違います。

「飛鳥の蘇」というチーズなのです。

 

日本の最も古い都・飛鳥は平城京平安京に比べると、はるかに小さな都だったようですが、キトラ古墳飛鳥寺石舞台古墳など、多数の遺跡や資料が残されており、、今なお多くの謎が残る場所である。

 

「この裏の駐車場も、遺跡だったのよ。発掘調査の後、埋めちゃったけどね...」

 

酒船石遺跡にいたボランティア説明委員のおじさんは、寂しそうな目をして語っていた。

 のどかな田園風景が広がり、稲渕は日本の棚田100選にも選ばれる名所である。

この時期は曼珠沙華が咲き乱れてカメラマンや観光客等多くの人が訪れている。

 

いただいた古代米定食に、おまけのようについていた一見魚の卵の珍味のように見えるそれは、「飛鳥の蘇」と呼ばれる太古のチーズでした。

卑弥呼も、聖徳太子も食べた?!と言われる珍しい自然食品である。

いろいろな調査をしているうちに、当時の人たちが口にしたものの痕跡が遺跡から発掘され、再現するに至ったのでしょうか。

タペストリーやキーホルダーではなく「古代米の素」や「飛鳥の蘇」なんてものがおみやげになっているところが、まさに飛鳥だけでしか手に入らないもので、全国各地の観光地でおみやげを考える人にとっては、負けた。と言わざるを得ません。

飛鳥を訪れた人ですら、そんなお土産があることも知らずに去る人がいることでしょう。

売っていることすら気が付かないし、気づいたとしても、大量生産ができないから、すぐに売り切れる。

サクサクとしていて、ほんのり甘くて、ミルクの味わいがあとからゆっくりやってくる。

すっかりとりこになってしまった僕は、是非買って帰ろうと思ったのだけど、すみません、売り切れです。と言われ、2つの店を回ってようやく手に入れました。

 

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ほんのひと切れ、小さく切って、太古のロマンを思いつつ、ちびちびと赤ワインと共にいただきました。至福のおみやげとなりました。□