薦める。

 

ぜひ見てほしいテレビ番組を知人に薦めてみたが、

後日、観たか。と確認してみたら、彼奴、観てはいなかった。

ナニサ。せっかく素晴らしい番組を紹介したのに! 

と、軽い苛立ちを感じたりもしたのだけど。

逆に、彼が夢中になっているテレビ番組を薦められたとき、

 今度は、自分は見ていたかったりする。おたがいさまだ。

 

テレビ番組を見ることに限らず、人は持ち時間が限られている。

 

仕事をしていれば、定時後から眠るまでの数時間が貴重な「残された時間」だ。

この小さな時間に何をするかは、誰もがとても大切だ。

読みたい本をコツコツ読んでおきたいかもしれない。

じっくりフィットネスで体を鍛えておきたいかもしれない。

たまったドラマを一気に見ておきたいかもしれない。

それぞれが、たまる一方のやりたいことに序列をつけて、小さな時間を使って、少しでも解消を進めようとしているところに、他人が提案したものが、どこまで割り込めるというのか。ということだ。

 

思えば、こちらも、なかなかふてぶてしい提案を押し付けていたものである。

そんなものをまじめに受け入れてくれないという方が、ふつうなのかもしれない。

 

薦めていたのは「アイドルと巡る仏像の世界」という番組だった。

現役で活躍する可愛らしいアイドルたちが仏像という小難しい美術品を鑑賞するというギャップも面白いし、

仏像なんてわからないという人にとっても、テレビに映るアイドルも仏像をわからないと思っているから目線を合わせて楽しめるし、

そして当然のことながら、仏教や仏像の専門家によって作られているから内容にもしっかりとした教養がある。

テキストが欲しくなって書店に行ったのだが売り切れていて、ネットで取り寄せたのだが、先日本屋に行ったら再入荷したらしく山積みになってた。番組の放送は終わってしまっているというのに。

NHKのテキストが増刷されるのはあまり見たことがない。

きっとなかなかの高視聴率だったのではないだろうか。

やっぱり、みんなに見てほしかったなと思う。□

 

追伸:次なるお薦めは11/23 BSプレミアム の「運び屋」です。