職域接種PART2 その1

 

二度目のコロナワクチン接種を終えた。

 

「ようきたなワレ。もっと威勢よく飲んだれや」

 

「サンバ!サンバ!ブラジルサンバ!!」

 

我が体内では、インフル先輩、破傷風先輩、水疱瘡先輩、風疹先輩といった先輩たちに囲まれ、今まさに、新人のコロナ君が、居酒屋にいけない僕の分も合わせて、手厚い新人歓迎会で、お・も・て・な・しを受けているころだろう。

 

二度目のワクチンで発熱をする人が多発していると聞く。

それだけ多くの人に症状が出るようでは、一般人に接種することの許可が下りないのではないか。と思うほどに、ほとんどの人が発熱を覚悟しなくてはいけない。という位の副反応の事例が耳に入る。

わずか数パーセントの症状が出た人の事例が過度に報道され、あたかも、ほとんどの人に、なんらかの症状が出るものである、という風評が突っ走ってしまっているのではないか。

今のところ自分の体にはなんら異変はない。

若い人には副反応が多いと聞くから、つまるところ、最早僕は若い人ではないのだろう。まるで二度目のワクチンは「若さを判定する手段」のようにすら思えてくる。

発熱したら若者。何も起きなかったら老人。

そう考えると、ちょっとした副反応は出てほしかった....というなんとも本末転倒な願いが無かったと言えば嘘になるだろうか。

 

接種会場はあいわからず、ものものしかった。

接種前のアンケート用紙の記入が、消えるボールペンで書かれていないかを、消しゴムでごしごしされ、次の窓口でも、更にもう一度ごしごしされる。

盆休みの時期でありながら、数十名に及ぶボランティアスタッフが会場に集結し、休みを返上して作業を進めている。彼らのおかげで、手順はそのままでも、初回に比べてより接種までの手際が早くなっているように感じた。

 

二度目を終え、これでひとまずひとつの峠は越えたことになるのだろうか。

先日外出した際、久々に外食をする機会を持った。

博多料理を中心に出す居酒屋だったが、明太子入りだし巻き卵やら、カツオのたたき、サラダなどを一通り注文して最後にビール.....と言いかけると「お酒は出せません」との回答。せっかくの料理たちも、お酒が無くてはとても料理が引き立たない。
100名は収容できそうな大きな店内であるにもかかわらず、さっと見渡すと自分以外の客は無し。店員は接客の女性1名と厨房の男性1名のみ。
メニューを見れば、1000円程度の夜定食というメニューもあり、今となってはこちらの注文でお店はつないでいるのかもしれない。
これは確かに苦しい。テレビで連日報道される飲食店の音のない叫びが聞こえてくるような気がした。

 

デルタ株の猛威により、三度目のワクチンの噂も出始めているようだが、一日でも早くこの事態が収束していってくれることを切に願っている。□