頑固と素直

 

「決めたことを信念を変えずに貫く」

 

そんな強い気持ちや姿勢は一般的には美談として肯定されがちだが、逆にそこに固執することに、時には危険が生じることもある。

客観的にみて、ずれている、おかしい、直すべきだ、という声も聞き入れず、自分の決めたことに突き進むことが、必ずしもベストだとは限らない。

 

昨年から1年続いた謎の虫歯治療については、医師の腕や進め方、衛生感等に不信感が増していく中でも、治療が始まってしまった以上は最後まではやってもらう。と決めてしまっていた。そしてそれを変えることができなかった。

不信感が少しでもあるならば直ぐにでも医師を変えるべきだ。という周囲の声はずっと前からあったのに、自分が決めたことに固執し、ずるずると1年もの間、ストレスをためてきてしまった。そしてようやくその声が自分の中に、しみわたってきたときには、舵を切るのが手遅れともいえる時期まで来てしまっていたのだ。

 

この度の事件で、自分が、どれだけ柔軟性に欠け、頑固ものであるかを思い知り、猛省する結果となった。

 

確かに、なんでもかんでも、そうだねそうだね。と聞き入れて、言われるたびに考え方や、やり方を変えてしまうのは問題だが、変えなくてはならないことにしがみつきつづけてしまうのもまた大きな問題である。

 

先ずは、周りの声にも耳を傾け、変えるべきことには素直に、柔軟に対応する、やわらかさ、しなやかさが、これからの人生にも絶対に必要だ。

そういうものが、少しずつ失われてきているのかもしれない。□