そういえば「いまどうしてんの」という話はほとんど出なかった。
みんな数十年前に引き戻るのがせいいっぱいで、出す暇が無かったのだろうけど。
次回、また次回と同窓会の実施が増えたら、その辺にも話題がうつっていくのだと思う。
けれど、それが出ないまま終わる、のが意外と良いのかもしれない。
今のことを話したら、きっとお互い、えっ!と驚くような、それぞれがとんでもない修羅場とか笑いとか苦しみとか、多くの体験をしているはずなのだろうけど、そんなことが一切なかった学生時代にそのまま戻って騒ぐというのが、見た目だけはおっさんだけど、心だけ当時に戻るというのが、同窓会の趣旨なんだろうとも思うのです。
現実という厳しい枷がなくて、当時の小さな教室の中でのヒエラルキーだけがお互いを結んでいたもの。
そこに戻れるというのが一番心地よいものなのかもしれない。
4次会のカラオケまでもつれこんで、朝五時まで騒いだというのは、まさに「劇画オバQ」の世界そのものだろう。□