2022年の同窓会が終わった。
35年ぶりとなるクラスメートたちとの再会だった。
会場に足を踏み入れた途端、瞬時に参加者60名分の「35年」が雪崩のように一斉に流れ込んできた。
何かを叫びたい気持ちになっているのに、何から話していいかがわからず、言語障害のような感じになっている。
あまり整理をせずに、思いつくままに書いてみたい。
まず、同窓会ってなんだろう? この体験を何かに代えて説明できないものかって、ずっと探していたんだけど。
無いんです。
これまでの人生でこの体験と同等のものが。
同窓会って、卒業式とか、入社式とか、結婚式とか、一生で1回しかないもの。なんです。
映画「エイリアン」で、宇宙船の乗組員が同時に目覚めるコールドスリープのようなものかな、と思っていたけど違う。
あれはただ長く眠っていただけだし。
お互い何十年もの時間を隔てて、人が再会する。なんていうイベントはやっぱり同窓会しかないんじゃないか。
それぞれが、それぞれの数十年、お互いの知らない世界を見て、泣いて、笑って、戦ってきた。それが人数分、一瞬でどっと、脳に流れ込んでくる。当時の思い出の上にのっかって。
こんな体験はもう同窓会でしか体験できない。当然、ちょっとしたパニックになる。
同窓会が始まる前に、頭の中で何度も当時を思い出してみて、
彼に会ったら、これを話そう。
彼女に会ったら、あれを話そう。
なんて準備をしていたけど、始まってみたら、もうそんなものじゃない。
ずっとしっかり避難訓練をしていたけど、いざ本当に火災が起こってみたら、頭が真っ白になって、練習なんて全部吹き飛んでしまって、逃げ遅れる。そんな感じだったんだ。(つづく)□