外部からの意見を全く聞き入れないという姿勢は、
彼がこれまで作ってきた自分へのルールを、
死守しようとしているからだろう。
自分がこれまでの人生経験の中で作ってきた、
自分の生き方の考え方、哲学を、
第三者に侵害されたり破壊されたりすると感じたとき、
それを守ろうとし、意見する者を外敵として抵抗する。
抵抗をするということは、相当なエネルギーを消耗する。
自分は、抵抗をするのではなく、
なるべく意見は聞くようにしたい。
だって、それこそが、世界からの自分への目であるから。
直すべきという指摘であるならば、それに抵抗して、
偏狭な姿勢を見せるより、やわらかく立ち振る舞った方が
お互い気持ちがいいはずだ。
それでも、どうしても受け入れられないのであれば、
打ち返すのではなく、左から右にながすのがよいと思う。
例えば、
満員電車に揺られるときに、体を押し付けてくる人間がいたとして、
そいつをはねのけようと、こちらから押し返す。抵抗する。と、
今度は、相手がむきになり押し返してきたりして、諍いが始まる。
右から押し付けてきたら、押し付け返すのではなく、
川の流れのように身を任せて左に体を流したらいいのだ。
世界からの声は、改善へのアドバイスであり、
自分を破壊するためのものではないと前向きに受けとめたい。
受け止められないものは、一度受け止めて反対側に受け流す。
そんな柔らかい人でありたい。
それが、究極の「素直」ということなのだと思う。□