偏るおじさん。

 

多様な人間になるためには、

多様な場所に住んでみたり、

多様な環境で仕事をしてみたり、

多様な経験をしておきたい。

 

長く同じ場所にとどまり続けている人は、

いわゆる心の鎖国をしていて、

どこかで仕入れた切り取られた情報だけで

世界への見方や考え方を決めていたりする。

それがすべての世界だと思い込んでいる。

 

まあそういういわゆる「地元愛」を大切にする気持ちもわかるし、大切にしたらいいと思うけれど、それを相手に投げ「こういうものだ」と押し付けてくる姿勢には、あまり感心しない。

それはまるで、ある地域から一人の犯罪者が現れたら、その地域に住む人すべてが犯罪者と決めつけるかのような。そんな姿勢である。

 

突き詰めると、これも苦しみの3根源の一つ「比較する」ということから生まれているのだろう。「地元」を「他の場所」と比較して、ねじ伏せたいのであろう。

 

井戸の中で長い時間過ごしたおじさんは、偏っている。□