「今回は半分だから」
二人展として開催することで、制作の負荷は1/2になる。
楽になるから大丈夫。と思ったとたん、もう「なまける」んです。
直前までぐだぐだして、結局、2倍追い詰められている。
往生際の悪さは、通常のときと同様か、むしろそれより酷いのではないか。
が、追い詰められるほど、緊張感がみなぎって、なんとかせねば。こうしよう。ああしよう。と、アイデアがひねり出されたり、絵が尖っていくのがわかる。
この状態は、文字ではうまく書けない。
あとで読み返したところで、「ああそうだった」と思い出しても、直ぐにその状態になれるわけではない。いわゆる火事場の馬鹿力というやつで、火事場にならないと出てこない不思議な力だ。
いうなれば、この力を「一時的にひねりだすために」、展覧会という活動をやっているのかもしれない。
100日前。50日前。30日前。と、その時々で自分なりに緊張感や馬鹿力を出してやっているつもりだが、10日前にそれらの日々を作品で振り返ると、とても緊張なんて出来てはいない。全部やり直したいくらい。
だから、「これから」なのである。
残された10日余の日が、本当の展覧会のための制作なのだ。
ずっとこの状態で居られたら。と思うが、そうはいかない。
それを味わうために、お金と時間を費やしているともいえる。□