20年ほど前のことだ。
京都のパレットクラブという教室でイラストレーションを学んでいた。
※この教室で体験したすべては自分の人生の中で
まさに「宝物」という時間であって、
いずれきちんと整理して記録しておきたいが本日は別の話を。
この教室には「夢の寺子屋」という夏期講習があった。
普段は出題された課題作品を教室に持参して、
毎週変わる先生から講評を受ける教室だったが、
夏休みの間は、特別講義が行われていた。
イラストレーションから少し離れ、芸能界などで活躍されるな方々の講演を聴講するというようなものだった。
旅館銀閣という宿が京都駅のそばにあって、そこで開催された糸井重里氏と天海祐希氏の対談が記憶に残っている。
90%くらいの前の方の席が宝塚ファンクラブの方々で支配されていた。
主催はパレットクラブなのに、生徒である我々は後ろのはじの方で体育座りをして小さくなって聞いていた。
100人くらいが入る座敷にみっちりとファンが押し寄せ、すごい熱気だった。
「イラストを学ぶ人たちが来ているということなので、今日は〇〇を持ち帰ってもらおう」と糸井さんが語録を残してくれたのだが、どういう語録だったかは記憶にない。(日記を調べたら出てくるかもしれない)
でも、芸能界でトップを走る人の話を生で聞くという機会がほんとうに刺激的で、その時の映像が頭にこびりついている。人生屈指の貴重な体験だったと思う。
以来、京都駅から京博へ歩く道すがら旅館銀閣の前を歩くことが多かったが、その旅館銀閣が、ある日閉館していた。
コロナのあおりか、喪失感があったが、しばらくすると復活に向けてリニューアル大工事をしているとのことがわかり、この5月から再開されたとのことである。
これはたのもしいことで、うれしいことです。
パレットクラブ京都は、いまは、もうない。
でも新しくなった旅館銀閣と共に、僕の記憶の中で鮮明に生きつづけている。