絵は、良い構成ができた瞬間、完成している。
粗削りで、絵の具を塗り込んだり、細かい作業は残しては居ても、
構成を観たときに、それが優れていたら「あ、できた」と感じる。
逆に、構成がいまいちで、生殺しのような状態の絵を、
そのまま進めても、ほぼ100%ろくでもないものが出来る。
描いている途中で「あ、できた」という状態に持ち直そうと
しながら走るんだけど、そんなものは絶対、うまくいかない。
うまくいったためしがないから、「絶対」としてもいい。
要するに、「感動」があるかないかだと思う。
すごく大きな感動を持っていたら、それを構成という形にすぐに持っていける。
そしてそれがもう完成を見据えてのものになっているから、
構成の段階でもう「できている」。
「感動」が無い状態で、あとから感動を付け加えるなんてことはできないということだ。
「感動」は、外から摂取しないといけない。内発はできない。人間にとってのビタミンCのようなものだ。
まとめると、感動が無い状態では、描き出すべからず。ということ。
手を動かしたい。という焦燥感があっても、描き出しで確信がなかったら、手を動かし始めてはいけない。絵具と時間の無駄です。□