優良物件

 

自惚れるつもりはないが、

自分は、自分のことを、

男性的に、なかなかの「優良物件」だと思っている。

 

自惚れてるんじゃない。という北風が、これまでにあちこちから何度も強く吹き付けてきて、今やぼろぼろの傷だらけになってはいるけれど、それでも、やっぱり、「優良物件」であるという自負が揺らぐことはない。

自分は、確信的に「優良物件」だと思う。

 

「多くの男性が、面倒くさがったり、苦手とすることを、

 あまり苦も無く、どちらかというと、楽しくやることができる」

(ついでに、ギャンブルにも、女遊びにも、まったく興味がない)

 

それが自分を「優良物件」だと思わせる所以だ。

 

風呂掃除をする。トイレ掃除をする。

汚いところに手を突っ込むことにためらいがない。

1週間の食事の献立を考える。

買い物に(楽しく)出かけ、食材の不足分を計画的に補充する。

冷蔵庫の中の食材の在庫を管理し、極力無駄なく、調理をする。

食器を洗う。食器を元の場所に収納する。

家じゅうのごみを取りまとめ、期日通りにきっちり捨てに行く。

洗濯ものを洗剤で洗う、干す。

雑草を刈る。水を撒く。

町内自治会に参加する。......エトセトラ。

 

それでも、世界の北風というやつは、猛烈に吹きすさんで、自分を吹き飛ばそうとする。そんなものは優良と呼ぶに値しない、価値はない。と。

だけど、自分がいない世界は、たぶん、北風がすべてを自分に謝罪する世界だと、やっぱり、そう確信している。

 

メリークリスマス! 素晴らしき哉、人生。□