BRUTUS 2024年2月1日号の 1000号記念特集「人生最高のお買いもの。」
BRUTUSも1000号突破です。
僕にとっての「人生の最高のお買いもの」は何だろうか。
雑誌を眺めながら自分に照らし合わせてみるのもまた楽しい。
「ゲルニカのポスター」
かつてスペインのソフィア王妃芸術センターを友人と訪れたとき、初めてホンモノのゲルニカを目の当たりにしてショックを受けた帰りに、閉店間際のグッズコーナーに駆け込みんで買った一枚。たしかレジを片づけ始めていたスタッフに睨まれたような記憶がある。
以前は美術館を訪れても、グッズのようなものに手を出すのは全く興味がなかったのだけど、ゲルニカにはもう一生会えないかもしれない、というような切ない気持ちがあふれ出して背中を押されるように買ったことを、ポスターを眺めるたびに思い出す。一生でも忘れられない思い出の一つである。ゲルニカは今なお自分を原点に戻し、パワーを与えてくれる。
「レオナルド・オフィチーナの万年筆」
ナガサワ文具で見つけて完全にひとめぼれだったのだけど、当初は筆記具に数万円ものお金をだすことに抵抗があった。その自分の壁を突き破った記念すべき万年筆で、今なお愛し、使い続けている一本。おそらく一生使い続ける一本になるだろう。
本当に素晴らしいものは、長く使えるし、適正な価額がついているのだということを学んだ成長の一本である。
「村上木彫堆朱のぐい呑み」
万年筆同様、ぐい呑みも以前は手軽な消耗品としてしか思ってなかったけど、日本酒を楽しむようになってから、ぐい呑みもいいものが欲しいと思うようになってきて、ちょうど漆器が欲しかった時に、アコメヤで衝撃的な出会いがあり、購入した。
買った当時は高額に思ったけど、今振り返ると、安かったな、と思う。
日本酒の友としてずっと使い続けているけど、禿げたり色が落ちたりすることは全くなくて、購入した当時のままの美しさを保ってる。多少高くても、いいものはやっぱりずっといいものです。
ベストバイ。というのは、突き詰めていくと、自分にとっての一流品となるかと思う。
ふと、松浦弥太郎氏の「男の一流品カタログ」のことも思い出した。
.......あ、これもBRUTUSだったね。笑
この企画力のすばらしさで1000号に到達できたのでしょう。ブラボー!です。