成長する時代

 

「育児に苦しんでいる」

という声に対して、

経験者や先輩から返ってくる言葉の多くは

「そんなもんだよ(なにをいまさら)」

だった。

俺も苦しんできた。次はお前の番だ。

そういう風に聞こえる。

 

本当だから本当のことを言う。のは正論なのだが、

世の中、本音や正論では回ってはいない。

ここは嘘であっても、

「それはお疲れだったね。もう一息がんばろう」

とでも言ってくれた方が世界が平和に回るのである。

これが「人情」というやつだ。

 

「そんなもんだよ」という乾いた言葉に含まれるニュアンスは、

例えば、

部活動でいじめられてた後輩が、

翌年先輩になったとき、

「おれもいじめられてたから」といって後輩をいじめる、

という負のループに似ている。

 

勿論、主張する方も、

被害者のような主観を前に出すだけではなくて、

「そんなものだ」という本音も受け入れ、

覚悟をする姿勢も持たねばならないとは思うけど。

 

お互い成長が必要な時代になってきていると思う。□

 

追伸:

「自分もそうだから、君もそうしろ」

「彼もそうだから、自分もそうする」

という右に倣えの自己犠牲的な考え方は、

日本人特有の考え方なのかもしれない。