シン・ノスタルジー

 

ノスタルジー。というものを、体感した。

これがノスタルジーなのかと。

 

時代は流れていて、自分や自分を取り巻く環境・世界はどんどん変わっていく。

それはもう「不可逆」であり、決して戻ることはできない流れである。

だが、ふと「あのころ」に頭も体も一瞬だけ戻れたような気になる時がある。

それをノスタルジーというのだろうと。

 

絵を描き始めたころの自分は、本当に燃えていて、

毎晩のようにアトリエに通い、描きまくっていた。

描き終わったあとも翌日のことなど全く考えず、

居酒屋に通って熱いダンギを交わしていたものだ。

 

先日、久しぶりに古巣の居酒屋「福ちゃん」に行ったとき、

ここはずっとあのときのままだ。と思った。

同時に、

あのときの自分がすっと自分に憑依したような気持になった。

 

お品書きを眺めながら、その日の旬を注文し、

ビールに水割りセットを並べ、深夜まで制作談義する。

やがて熱い気持ちが炎上して、じゃあもう一回描きにアトリエに戻るか!と、

深夜のセコムをぶちやぶってアトリエに侵入して警備員がかけつけるという。

なんだちみは。とか言われちゃて。

そんなことを毎晩のようにやっていた。ほんとうに楽しい時間だった。

ある意味、あれが人生の黄金期だったのかもしれない。

 

あの時には、もう決して戻れない。

だけど、戻ったような気持にはなれるのだ。

だからこそ、常連客という者は、お気に入りの店に通い続けるのだろう。

 

ノスタルジーっていいもんだ。

もちろん過去にしがみつくだけじゃなくて、

前に進まなきゃいかんのだけどね。□