遅ればせながら10年に1度というくらいの豪雪の晩に、
2023年の新年会があって、
昨年忘年会ができなかったアトリエのメンバーと、
今更ながら、2022年のベスト10を発表しあったのです。
忘年会でベスト10の発表をやるようになってから、
もう4~5年たつんだけど、それだけ続けていると、
前の年の自分、さらに前の年の自分....が重なって、
どんどん欲望が増幅されていくように感じるのです。
そんな中で、この新年会で初めてベスト10発表をした
メンバーの声にドキッとしたのです。
名前は忘れました....」
「昨年亡くなったアトリエの研究生の最後の1枚」
確かに自分も感動はしていたと思う。
でもそういう作品を、更に大きな作品や展覧会で
上書きしてしまって、1年を終えるころには、
ほとんどを「次点」に回してしまっていた。
確かに誰よりもたくさんは観ていたと思う。
けれど、ゆっくりじっくり味わって、
本当に楽しめたという1枚は、
自分のベスト10にきちんと収められていたのだろうか。
素朴で、丁寧で、鋭い美の楽しみ方をしていたメンバーの声に、
ふいに鋭いナイフを突きつけられたような気持になったのでした。
自分は今、
去年、あれほどびっくりしたり、感動したけれど、
今年はさらにすごいものを見つけちゃった。という
武勇伝合戦みたいになってはいないか。
もっと!もっと!!もっと!!!なんて、
欲望ばかりを増幅させてしまっている自分は
むしろ、もっと!冷静になってみるべきだ。
2023年は、改めて、誰にも流されずに、自分のために、
1つ1つ丁寧に見て、ゼロの感動を味わいたい。□